2009年11月12日木曜日

大学院生活の思い出(1)



 「筑波大学 春日キャンパス」で開催されたKEK(高エネルギー加速器研究機構)主催の「公開講座」に参加した。キャンパスに到着した瞬間に「学生時代」へと気持ちが戻って行った。そして、The University of North Carolina at Chapel Hill (UNC-CH)で過ごした大学院での学生時代を思い出す。

 Cameron Avenue(キャメロン・アベニュー)でバスを降りて、大きな木々が生い茂り芝生が広がっているMcCorkle Placeの中を、ノスタルジックな街灯が適度な間隔で並んでいるレンガ敷の歩道を歩いて通り抜け、Department of Physics & Astronomyの教室があるPhillips Hallへ向かう。

 大学があるChapel Hill(チャペルヒル:訳して「教会の丘」)は、南部独特の、のどかな雰囲気があたりに立ち込めている。春先は、ここちよい風が、キャンパスの木立の中通り過ぎて行き、とても爽やかである。

 ダウンタウンにあるワッフル・ショップ"Ye Ole Waffle Shop"で朝食をとることにした。早朝にもかかわらず多くの人が忙しそうに食事をしている。主な客層は、教授や大学院生であり、カウンタ越しに客の注文を聞いては、新鮮な卵等を使って手際よくワーフルを焼く。このワッフル・ショップは、チャペルヒルで「私のお気に入り」となった最初の店だ。

 朝食を済ませ、木々が林立している公園のようなキャンパスを歩く。いつも思うのだが、レンガ敷の歩道やノスタルジックな街灯は、まるで小さなリベラル・アート・カレッジのキャンパスを歩いている雰囲気である。途中、キャンパスの中でも、私が大好きな建物の一つPerson Hallの脇を通ってPhillips Hallへ向う。時々、Old WellやYMCAに立ち寄ってからPhillips Hallに向かうこともある。

 キャンパスのブッショの近くや芝生では、ブルーと紺色の綺麗な「ブルージェイ」や真紅の「カーディナル」を見かける。また、キャンパスでは、独特の鳴き声を聞かせてくれる「モッキング・バード」の姿が非常に多い。

 チャペルヒルは、4月になると、ドッグウッド(アメリカンはなみずき)の薄ピンクや白の花そしてアゼリア(ツツジ)のショッキング・ピンクやホワイトの鮮やかな花がチャペルヒルのあちらこちらに見られるようになる。小鳥達の囀りも一段と賑やかになり、モッキング・バードの声が特に優しく囁きかけてくれる。キャメロン・アパートメントからキャンパスまでの散策は、この時期になると心がうきうきしてくる。また、時には「ブルーバード」や非常に小さい「イェローバード」(チッカディ)も見かける。バードウォッチングには、事欠かない。そして、いつも思うことは、「春は、チャペルヒルでは、勉強なんかしないで、のんびりしたい季節」ということである。

 アパートメントからキャンパスまでの散策コースは、主に二つあり、一つは、アパートの裏の林の中を通る小径である。もう一つは、家々の前を通る舗装されている路である。その時の気分でどの路を歩くのかを決めるが、舗装路の最短コースでも約40分は歩く。小径の方は、バタル・パーク(クリークが流れているところ)を散策したり寄り道したりすると2時間を費やしてしまう。ドッグウッドの季節には、小径の散歩が最高である。自然の中に咲くドッグウッドの白や薄ピンクの花のトンネルが小径を飾りつけてくれるからである。まだ、早春の頃には舗装路の散歩がよい。キャンパスまで歩いてくる途中の家の前庭には、私の大好きな黄水仙が咲いている。気分は爽快である。

 初夏になると、モアヘッド・プラネタリュームの前庭にあるバラ園のばらの花が芳しく咲き乱れる。私の好きなバラは、薄いピンク色の花を持つクィーン・エリザベスである。花自体も好きだがそれ以上にその香りが大好きである。また、夕方になるとMcCorkle Placeの芝生には、蛍が飛び交う光景が見られる。

 秋には、街の木々が紅葉して別世界になる。キャンパスまでの散歩は、まるで夢の楽園の中を歩いているような気分になる。チャペルヒルには「Southern Part of Heaven」というニックネームがある。春と秋のチャペルヒルには、よくマッチしたニックネームである。

 冬は、葉が落ちた木々が林立していて、ちょっと寒々しい景観となってしまうが、レンガ敷の歩道やノスタルジックな街灯が、キャンパスの風景に暖かさをもたらしている。
 
 大学院の仲間は、California Institute of Technologyを卒業してきた人、Harvard Universityを卒業してきた人、VMIを卒業してきた人、IBMからMSを取得するためにきた人、韓国からの留学生等、実にユニークであったように思う。

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