2009年11月27日金曜日

畠山美術館

2009年11月23日(月)祭日
 昨日の「東慶寺」での「お茶会」+「琵琶の会」で「招待券」を頂いたので、白金台にある「畠山記念館」を訪れた。

 住宅街の中にある「島津藩」の元別邸は、綺麗な庭と茶室を有する閑静な場所であった。どこか個人の御宅に御邪魔するような雰囲気の庭園を通り、本館へと向かう。

 本館へは、入口でスリッパに履き替えて入館するのだが、客として呼ばれたような気分になるので、なかなかいい雰囲気である。

 館内に入ると、展示場が「2階」という案内がある。2階に上がると、名品の数々が余裕を持たせた空間にゆったりと展示されている。展示方法での大きな特徴は、一方の壁部が畳敷きの座敷のようになっていて、あたかも客間で展示物を見ているような雰囲気を演出している点である。この畳敷きの部分は、左側に茶室が設けられていて、露地の雰囲気も味わえるようになっていて、この茶室の中で御茶を頂戴することができるようになっている。今日は、ここでも御茶を頂戴した。なかなか美味しい御茶である。

 今迄訪れた美術館の中で、特に日本の茶道具、等が展示されている美術館としては、その展示物の設定、館内の雰囲気、そして庭を含めた美術館全体の環境を含めて、大変に素晴らしい美術館であると思う。

 本日の御目当は、以前、書物で読んで知っていた、「重要文化財 唐物肩衝茶入 銘 油屋」(南宋時代:13世紀)である。この「茶入」の伝来は、油屋常言~油屋常祐~豊臣秀吉~福島正則~福島正利~徳川秀忠(柳営御物)~土井大炊頭利勝~河村瑞軒~上田宗悟(冬木家)~松平不昧(松平家)~畠山即翁~畠山記念館という、多くの歴史上の人物に愛された「茶入」である。大変にしっとりと落ち着いた雰囲気の「茶入」である。

 また、「古瀬戸肩衝茶入 銘 円乗坊」もなかなか魅力的な茶入である。伝来は、古市播磨~円乗坊宗円~桑山修理~中山主馬之介~神戸彦七~神田安休~三井元八~松平不昧~畠山記念館である。

 「原三渓」が所有していた「独楽棗」(16世紀)がなかなか落ち着いた配色で、非常に優雅な「棗」である。
 また、模様の美しさでは、「菊桐蒔絵棗」(桃山時代:16世紀)の棗が魅力的である。

 「古銅耳付花入 銘 西湖」(明時代:16世紀)は、大変に美しい花入である。

 「青磁香炉 銘 浅間」(明時代:16世紀)は、大変に美しい青磁の香炉である。

 「高取水指」(江戸時代:17世紀)は、ちょっと変わった形をしているが、私の目を惹きつけた水指しである。
 「菊桐蒔絵炉縁」(江戸時代:17世紀)の優美な模様は、前日の「月釜」で「炉」及び「炉縁」を観た後だったので、大変に気になった。こんなに美しい「炉縁」があるとは。

 書き物に目を移すと、まず、「扇面月兎画賛 本阿弥光悦筆」(江戸時代:17世紀)は、私の心を惹きつけた。概して、私は、「本阿弥光悦」の作品が好きなようである。

 そして、「国宝 煙寺晩鐘図 伝牧谿筆」(南宋時代:13世紀)。さすがに素晴らしい作品である。

 「消息 豊臣秀吉筆」(桃山時代:16世紀)は、茶室に掛けたらさぞ引き立つだろうと思う。

 最近は、自分が茶席を設けるような気分で、茶道具を眺めてしまう傾向になってきた。それもまた楽しからずや、である。

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