2009年7月8日水曜日

弘明寺観音


坂東札所第十四番「瑞応山弘明寺」(高野山真言宗)

 「弘明寺」は、散歩の途中にいつも御参りしている御寺さんであるが、2009年7月5日(日)に御本尊の「十一面観音菩薩像」(元:国宝、現:重要文化財)を初めて直接拝んできた。

 御本尊の「十一面観音菩薩像」は、昭和三十三年に完成した防災安置堂に納められていて、堂内の入口で拝観料を払うと、御堂の内々陣に入って直接拝むことができる。

 御本尊の「十一面観音菩薩像」は、僧「行基」が一刀三礼のうちに刻み奉った「鉈彫り」の観音さまと伝えられているが、実際には、その彫刻の形式から、「平安末期の作」と言われている。また、近年の調査で、御本尊の「十一面観音菩薩像」は、像高一八〇センチ、関東地方特産のカタ木の「ハルニレ」の木を彫った一木造りであることが判明した。

 「鉈彫り」は、十世紀から十一世紀にかけて関東地方に多く見られる仏像彫刻の一形式であるが、御本尊の「十一面観音菩薩像」は、顔から足の先まで、丸ノミでシマ目のノミの跡をはっきり表わしたもので、「鉈彫り」の仏像の中でも最も優れたものとして知られている。

 近くで御本尊の「十一面観音菩薩像」を拝むと、御優しい御顔をされている。何度か見ていると、微笑んでおられるように見えるときがある。

 いつも御堂には御参りするが、時々は、御堂の内々陣に入ってこの御本尊の「十一面観音菩薩像」を直接拝みたいと思っている。いつも身近におわす素晴らしい観音さまである。

0 件のコメント: