2009年8月19日水曜日

寒川神社 神嶽山神苑


2009年8月15日(土)
 8月になって漸く相模国一之宮「寒川神社」に御参りすることができた。今年は随分遅くに参拝することになってしまった。

 去年戴いた「八方除けのお守り」を納めてから本殿へ向かう。

 しかし、今日は、「薪能」が開催されるために舞台や観客席の設定が行われていて、境内の様子がいつもと大分違っていた。「賽銭箱」の位置もずらされていて、何か奇異な感じだ。

 参拝を済ませて、帰る途中で、「神嶽山(かんたけやま)神苑」公開中の案内があった。これまで参拝したときには、そのような場所は、なかったと思う。そこで、早速、その場所を訪れて見ると、入口で、「御祈祷を申込まれた方にのみ開苑しています」とのこと。それでは、「御祈祷」をお願いしてみようと思い立ち、生まれて初めて自分自身で「御祈祷」をお願いすることにした。

 「祈祷願い所」に行き、備え付けの用紙に諸事を書き込み、初穂料を納めて申し込む。

 御祈祷のカード7番と、「神嶽山神苑」入苑券を受け取り、「待合所」でしばし待機。最初は、数組が待っている程度だったが、私の後から、かなりの数の祈願者が入所してきた。煎茶とお供物を戴きながら、7番が呼ばれるのを待つ。

 待つこと15分程で、呼び出しがあり、ほとんど全員がソファの椅子から立ち上がった。みんな7組だったのだ。

 「寒川神社」の「御紋」入りの白い「羽織」(「ちゃんちゃんこ」の大きめのようなもの)が全員に配られたので、「羽織」を身に付けで前紐を蝶結びにし、流れている手水でお清めをしてから「拝殿」に入る。

 「寒川神社」の「拝殿」に入るのは、そして大きな神社の「拝殿」に入ること事態が、初めての体験である。「拝殿」に入ってから「椅子」に着座する。厳かな気分になる。やはり「神様」に御参りするという、ある種の緊張感は、なかなかによいものである。

特に、「神道」は、仏教寺院とは異なり、「仏像」のようなものが存在しないので、「拝殿」の奥にある「本殿」に祀られている「もの」、例えば、山、木、等のような「自然の対象物」を「神」としたものであるから、「神」と対面するということが実感できる(例えば、奈良の「春日大社」の「木の輪」、日光二荒山神社の御神体「男体山」、静岡・浅間神社の御神体「富士山」、等)。

 いよいよ御祈祷の始まりである。まず椅子から全員が起立して、見習い神主による「御払い」を受ける。

 続いて、二番目の上級神主が来て太鼓を打ち鳴らす。

 そして、最も偉い神主さんの登場。祭壇の直前に座り、多くの鈴が取り付けられた長い紐を震わせて鈴を鳴らす。ご祈祷が始まり、そして、参列者の住所、名前、そして祈願の内容が祈願した一人一人に対して読まれて行く。やはり神主さんがご祈祷されると雰囲気も違うし、厳かな気持ちになる。

 「拝殿」の祭壇の中央には「八咫鏡(やたのかがみ)」が置かれていて、祭壇の下の両脇には、「狛犬」らしからぬ「狼犬」のような「犬の彫り物」が左右対称の位置の置かれている。これは初めて見る「犬の彫り物」である。

 先の偉い神主さんが再び長い紐を震わせて鈴を鳴らしてご祈祷が終わると、先の見習い神主さんから各自が「榊(さかき)の枝」を受け取り、祭壇前の台に「榊の枝」を置いてニ礼ニ拍してから御祈りを行い一礼したら終了となる。

 「羽織」を巫女さんに返却したら、終わりかと思っていたら、名前が書かれた「八方除けの御札」、「御神酒」、「お箸」、「お守り」、そして「浄め土」、等が入っている袋が用意されていた。それならば、納めた初穂料は、さほど高くはないと思った。

 「拝殿」から出て、いよいよ待望の「神嶽山神苑」を見学することにする。

 「神嶽山神苑」は、「寒川神社」が「本殿」の造営10周年を記念して平成17年から進めてきた「神嶽山」周辺整備が竣工して2009年8月2日(日)に一般への開苑が始まった。

 「神嶽山」は、「寒川神社」の「本殿」の裏手に位置する「山」で、その一角には、同神社の起源と深い関わりを持つとされる神池「難波の小池」が位置している。

 「難波の小池」の水は、毎年1月2日の「追儺(ついな)祭」で神前に供えるとともに、邪気を祓うため境内に撒かれる神聖なものである。

 「神嶽山神苑」は、「神嶽山」や「難波の小池」のほか、周辺に「浄め土受所」や「手水舎」が設置されている。

 その奥には、日本の伝統技術を結集した「池泉回遊式庭園」が造成されている。庭園内には、中央に位置する「八氣(はっき)の泉」を囲むように、茶屋「和楽亭(わらくてい)」や茶室「直心庵(ちょくしんあん)」、八方除の資料を展示した「方徳資料館」、そして雅楽や舞楽の演奏を行う「石舞台」がある。
 また、「土橋(どばし)」と「石橋」の二つの橋が架けられていて、「石舞台」を含む厳粛な空間と、「茶室」や「資料館」などの憩いの空間とを分けて構成されている。

 上述した「方徳資料館」は、「八方除」の資料を展示していて、一見の価値がある。「八方除」には「古代朝鮮」から渡来したと思われる「陰陽師」が係わっていて、どうやら「古代朝鮮」の「百済」と「寒川神社」との係わりが暗黙のうちに示されていると思われる。

 「庭園」を散策し、「方徳資料館」を見物した後、茶屋「和楽亭」で御茶を戴くことにした。干菓子も二種類付いていて、なかなか上品な味だ。そして御茶もなかなか美味しい「薄茶」である。先月、「東慶寺」の「寒雲亭」で戴いたものによく似た味の御茶で、きっと同じ御茶であると思う。

 茶屋「和楽亭」からは、「池泉回遊式庭園」の中央に位置する「八氣の泉」がよく見渡せる。庭園内に在るいくつかの滝も綺麗な流れを育むように造園されていて、一瞬「京都」にいるような雰囲気になる。秋は、さぞ綺麗だろうと思われる。また、「土橋」の上からは、「本殿」の様子をよく眺めることができる。

 残念ながら茶室「直心庵」は、公開されていなかったが、なかなか立派な茶室である。せっかく「神嶽山神苑」を公開しているだから、ここも見学できるようにしてくれたらと、少し残念に思う。

 「神嶽山神苑」の一般への開苑は、2009年の年内は、11月30日(月)まで。入苑には、「祈祷の申込み」が必要である。なお、12月から3月までは閉苑となる。

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