UNC-CHでは、Prof. Yee Jack Ngから”Quantum Mechanics”を教わったが、彼もProf. Merzbacher同様、Harvard Universityの大学院でProf. Julian Schwingerの学生(Harvardでの最後の学生)であった。そして、UCLA及びプリンストン大学高等研究所で実質的にはPh.D.の論文研究を行った人である。
なお、WMUでは、曽我教授からTheory of Electricity & Magnetism を教わっていて、Prof. Julian Schwingerと朝永振一郎先生のそれぞれの御弟子さんから、「Quantum Electrodynamics」の基礎を教わったことになる。
余談であるが、Harvard Univ.でMerzbacher教授と同期でJulian Schwinger教授の下で研究をしてPh.D.を取得したProf. Bruce DeWitt(現Univ. of Texas at Austin)もUNC-CHのDepartment of Physics & Astronomyで長い間教授として活躍され、理論物理学、特にアインシュタインの研究テーマとして知られている『General Relativity』の世界的権威者の一人としてUNC-CHのDepartment of Physics & Astronomyの名前を物理学の世界に広めたが、後年、彼の奥様でもあったProf. Cecil DeWittに係わる問題でUniv. of Texas at Austinに移ってしまった。大変残念なことである。また、彼が教授として在籍していた当時は、日本人として『General Relativity』の世界的権威者の一人であった大阪大学の内山龍雄教授も客員研究員としてUNC-CHのDepartment of Physics & Astronomyに在籍されていた(参照:チャペル・ヒル日本人会記録ノート)。
Prof. Bruce DeWittが在籍されていた当時、UNC-CHのDepartment of Physics & Astronomyは、理論物理、特に『General Relativity』のメッカであった。『General Relativity』の権威者として有名なProf. John A. Wheeler(Princeton University)も当時は教授としてUNC-CHに在籍していたのである。そして、UNC-CHでProf. John A. Wheeler教授の下でPh.D.を取得した学生に、Nuclear Physicsに功績があった女性原子核物理学者のKathrine Way教授がいる。
再び余談。WMUの曾我教授は、東京教育大学での「朝永振一郎」先生の最後の学生(弟子)であった。これは、奇しくもあまりにも偶然であった。Julian Schwingerと朝永先生は、Feynmannと共にその「Quantum Electrodynamics」
の研究の功績により同時にノーベル物理学を受賞した物理学者である。
Mathematics for Physicistsは、Prof. Hendrik van Dam (Examen Doctorale 1959 University of Amsterdam) から教わったが、彼は、Prof. Martinus Veltman(1999年(Nobel laureate)University of Michigan at Ann Arbor)と協同で”van Dam-Veltman Discontinuity Theorem”を発表し、Prof. Eugene Wigner(1963年(Nobel laureate)Princeton University)とも協同で研究を行っている。
更に、Solid State Physicsは、Prof. Slifkin (Ph.D.: Princeton) から教わった。
そして、Electrodynamicsは、Prof. Jim York (Ph.D.: N. C. State) から教わった。UNC-CHからRetireした後、現在Cornell Universityの教授として現役でGeneral Relativity, Cosmology等の分野で様々な理論的研究を続行している。
UNC-CHのfaculty membersにはノーベル物理学を受賞した教授の愛弟子が他にもいる。まず、Prof. Wayne Bower (Ph.D.: Cornell)。彼は、Cornell Universityの大学院で、Prof. Hans A Bethe(Nobel laureate)の下で研究の指導を受けた。
Prof. Robertsは、Columbia UniversityでPh.D.の最終口述試験のときの試験委員3人全てがノーベル賞受賞者であったという。研究指導者は、確かあの有名なBragg教授であったように記憶している。
授業を受けたことはないが、私には好意的であったJ. Ross Macdonald教授。B. A.(Physics, 1944)Williams College、S. B., Electrical Eng., 1944, S.M., Electrical Eng., 1947; graduate study in Physics, 1947-1948 Massachusetts Institute of Technology、D.Phil.(Physics) 1950 New College, University of Oxford(Rhodes Scholar, 1948-1950, MIT); D.Sc. 1967 University of Oxfordをそれぞれ取得している。専門分野は、半導体である。
また、理論物理学者としては、世界的に知られているPaul H. Frampton教授がいる。典型的Oxford manである(Brasenose College, University of Oxford: B.A. 1965, M.A., 1968, D.Phil. 1968, and D. Sc. 1984)。京都大学のYさんがポストドックとして Frampton教授の下で研究していたので、よく研究室に遊びに行った。Frampton教授のOxfordでのアドバイザーは、Abdus Salam教授(Nobel laureate: University of Cambridge)の弟子にあたるJohn C. Taylor教授(University of Cambridge)であった。専門分野は、Particle Phenomenology and Cosmologyである。The University of Chicagoでは、南部陽一郎教授(2008年Nobel laureate)の下でポストドックとして活躍し、共同で論文を書いている。
Notable Physicists
UNC-CH在籍中に御会いすることができた外部の教授の筆頭としては、自分の研究テーマである「Atomic Collision(原子衝突)」に関して、University of CambridgeのCavendish Laboratoryの所長であったSir Nevile Mott教授(Nobel laureate)である。彼のAtomic Collisionに関する研究、とりわけその理論的解析における貢献は量りしれないものがある。すぐ目の前に立っているSir Nevile Mott教授に直接質問をしてみたが、そのときには私の心臓の鼓動がかなり高鳴ったことを今でも覚えている。
なお、Cavendish Laboratory*(1)は、多くの物理学者により金字塔的な物理研究がなされた場所として世界的に知られている。
次に、シカゴ大学Ugo Fano名誉教授が挙げられる。彼とは、1985年5月13日と14日にUNC-CHで開催されたD.O.E.の『Atomic Physics Program Contractor’s Workshop』の際に、Prof. Shafrothの自宅でお会いすることができ、Prof. Shafrothから紹介していただいた。Ugo Fano教授は、イタリーのローマ大学で、私が最も尊敬する、あの有名なEnrico Fermi教授(Nobel laureate)、そしてWerner Heisenberg教授(Nobel laureate)から指導を受け、そしてEnrico Fermi教授と一緒に米国に渡りColumbia University及びThe University of Chicagoで研究をした学者である。即ち、Fermiの最後の愛弟子であり、私としては、夢のような人物である。
私の物理における研究は、Accelerator-Based Heavy Ion-Atom Collision がメイン・テーマであり、この研究に携わることができたことは、今でも良かったと思っている。そして、日本では会えるかどうか分からないような、上述したトップクラスの研究者に出会え、そして研究テーマについて気軽に対話できたことは、生涯の思い出である。
なお、The Institute for Advanced Study at Princeton Universityの所長であり、有名な理論物理学者・数学者のProf. Freeman DysonがUNC-CHの哲学に関する特別講演者としてチャペルヒルに1983年Fall Semesterの間滞在したことがある。
また、Duke Universityのキャンパスで、素粒子理論で有名なPro. Murray Gell-Mann(Nobel laureate: California Institute of Technology)の講演も聞いた。彼は、マルチ・リンガルでもあり、本当の意味での「天才」であったという印象が残っている。
余談であるが、Cornell Universityの天文学者であるProf. Carl Seganの講演やCarnegie-Mellon Universityのノーベル経済学者でコンピュータの研究者でもあるProf. Herbert Simmonの講演、地球のヴァン・アレン帯としてその名を残しているUniversity of Iowaのあの有名なProf. Van Allenの講演も聞く機会があった。後者の二人は、WMUでのもの。しかし、Prof. Carl Seganについては、どこだったか記憶にないが多分、Duke Universityではなかったかと思う。
*(1)Cavendish Laboratory (キャベンディッシュ研究所)
初代キャベンディッシュ研究所の所長に当たる物理学教授はTheory of Electricity & Magnetismで有名なJames Clark Maxwell。
なお、WMUでは、曽我教授からTheory of Electricity & Magnetism を教わっていて、Prof. Julian Schwingerと朝永振一郎先生のそれぞれの御弟子さんから、「Quantum Electrodynamics」の基礎を教わったことになる。
余談であるが、Harvard Univ.でMerzbacher教授と同期でJulian Schwinger教授の下で研究をしてPh.D.を取得したProf. Bruce DeWitt(現Univ. of Texas at Austin)もUNC-CHのDepartment of Physics & Astronomyで長い間教授として活躍され、理論物理学、特にアインシュタインの研究テーマとして知られている『General Relativity』の世界的権威者の一人としてUNC-CHのDepartment of Physics & Astronomyの名前を物理学の世界に広めたが、後年、彼の奥様でもあったProf. Cecil DeWittに係わる問題でUniv. of Texas at Austinに移ってしまった。大変残念なことである。また、彼が教授として在籍していた当時は、日本人として『General Relativity』の世界的権威者の一人であった大阪大学の内山龍雄教授も客員研究員としてUNC-CHのDepartment of Physics & Astronomyに在籍されていた(参照:チャペル・ヒル日本人会記録ノート)。
Prof. Bruce DeWittが在籍されていた当時、UNC-CHのDepartment of Physics & Astronomyは、理論物理、特に『General Relativity』のメッカであった。『General Relativity』の権威者として有名なProf. John A. Wheeler(Princeton University)も当時は教授としてUNC-CHに在籍していたのである。そして、UNC-CHでProf. John A. Wheeler教授の下でPh.D.を取得した学生に、Nuclear Physicsに功績があった女性原子核物理学者のKathrine Way教授がいる。
再び余談。WMUの曾我教授は、東京教育大学での「朝永振一郎」先生の最後の学生(弟子)であった。これは、奇しくもあまりにも偶然であった。Julian Schwingerと朝永先生は、Feynmannと共にその「Quantum Electrodynamics」
の研究の功績により同時にノーベル物理学を受賞した物理学者である。
Mathematics for Physicistsは、Prof. Hendrik van Dam (Examen Doctorale 1959 University of Amsterdam) から教わったが、彼は、Prof. Martinus Veltman(1999年(Nobel laureate)University of Michigan at Ann Arbor)と協同で”van Dam-Veltman Discontinuity Theorem”を発表し、Prof. Eugene Wigner(1963年(Nobel laureate)Princeton University)とも協同で研究を行っている。
更に、Solid State Physicsは、Prof. Slifkin (Ph.D.: Princeton) から教わった。
そして、Electrodynamicsは、Prof. Jim York (Ph.D.: N. C. State) から教わった。UNC-CHからRetireした後、現在Cornell Universityの教授として現役でGeneral Relativity, Cosmology等の分野で様々な理論的研究を続行している。
UNC-CHのfaculty membersにはノーベル物理学を受賞した教授の愛弟子が他にもいる。まず、Prof. Wayne Bower (Ph.D.: Cornell)。彼は、Cornell Universityの大学院で、Prof. Hans A Bethe(Nobel laureate)の下で研究の指導を受けた。
Prof. Robertsは、Columbia UniversityでPh.D.の最終口述試験のときの試験委員3人全てがノーベル賞受賞者であったという。研究指導者は、確かあの有名なBragg教授であったように記憶している。
授業を受けたことはないが、私には好意的であったJ. Ross Macdonald教授。B. A.(Physics, 1944)Williams College、S. B., Electrical Eng., 1944, S.M., Electrical Eng., 1947; graduate study in Physics, 1947-1948 Massachusetts Institute of Technology、D.Phil.(Physics) 1950 New College, University of Oxford(Rhodes Scholar, 1948-1950, MIT); D.Sc. 1967 University of Oxfordをそれぞれ取得している。専門分野は、半導体である。
また、理論物理学者としては、世界的に知られているPaul H. Frampton教授がいる。典型的Oxford manである(Brasenose College, University of Oxford: B.A. 1965, M.A., 1968, D.Phil. 1968, and D. Sc. 1984)。京都大学のYさんがポストドックとして Frampton教授の下で研究していたので、よく研究室に遊びに行った。Frampton教授のOxfordでのアドバイザーは、Abdus Salam教授(Nobel laureate: University of Cambridge)の弟子にあたるJohn C. Taylor教授(University of Cambridge)であった。専門分野は、Particle Phenomenology and Cosmologyである。The University of Chicagoでは、南部陽一郎教授(2008年Nobel laureate)の下でポストドックとして活躍し、共同で論文を書いている。
Notable Physicists
UNC-CH在籍中に御会いすることができた外部の教授の筆頭としては、自分の研究テーマである「Atomic Collision(原子衝突)」に関して、University of CambridgeのCavendish Laboratoryの所長であったSir Nevile Mott教授(Nobel laureate)である。彼のAtomic Collisionに関する研究、とりわけその理論的解析における貢献は量りしれないものがある。すぐ目の前に立っているSir Nevile Mott教授に直接質問をしてみたが、そのときには私の心臓の鼓動がかなり高鳴ったことを今でも覚えている。
なお、Cavendish Laboratory*(1)は、多くの物理学者により金字塔的な物理研究がなされた場所として世界的に知られている。
次に、シカゴ大学Ugo Fano名誉教授が挙げられる。彼とは、1985年5月13日と14日にUNC-CHで開催されたD.O.E.の『Atomic Physics Program Contractor’s Workshop』の際に、Prof. Shafrothの自宅でお会いすることができ、Prof. Shafrothから紹介していただいた。Ugo Fano教授は、イタリーのローマ大学で、私が最も尊敬する、あの有名なEnrico Fermi教授(Nobel laureate)、そしてWerner Heisenberg教授(Nobel laureate)から指導を受け、そしてEnrico Fermi教授と一緒に米国に渡りColumbia University及びThe University of Chicagoで研究をした学者である。即ち、Fermiの最後の愛弟子であり、私としては、夢のような人物である。
私の物理における研究は、Accelerator-Based Heavy Ion-Atom Collision がメイン・テーマであり、この研究に携わることができたことは、今でも良かったと思っている。そして、日本では会えるかどうか分からないような、上述したトップクラスの研究者に出会え、そして研究テーマについて気軽に対話できたことは、生涯の思い出である。
なお、The Institute for Advanced Study at Princeton Universityの所長であり、有名な理論物理学者・数学者のProf. Freeman DysonがUNC-CHの哲学に関する特別講演者としてチャペルヒルに1983年Fall Semesterの間滞在したことがある。
また、Duke Universityのキャンパスで、素粒子理論で有名なPro. Murray Gell-Mann(Nobel laureate: California Institute of Technology)の講演も聞いた。彼は、マルチ・リンガルでもあり、本当の意味での「天才」であったという印象が残っている。
余談であるが、Cornell Universityの天文学者であるProf. Carl Seganの講演やCarnegie-Mellon Universityのノーベル経済学者でコンピュータの研究者でもあるProf. Herbert Simmonの講演、地球のヴァン・アレン帯としてその名を残しているUniversity of Iowaのあの有名なProf. Van Allenの講演も聞く機会があった。後者の二人は、WMUでのもの。しかし、Prof. Carl Seganについては、どこだったか記憶にないが多分、Duke Universityではなかったかと思う。
*(1)Cavendish Laboratory (キャベンディッシュ研究所)
初代キャベンディッシュ研究所の所長に当たる物理学教授はTheory of Electricity & Magnetismで有名なJames Clark Maxwell。
0 件のコメント:
コメントを投稿