「和歌」との出会いは、ある日、「東海道」の「大磯」を歩いていたときに、「鴫立庵」という場所に立ち寄り、歌人「西行」の歌に興味を抱き、彼に関する本を読んだことが、実質的に「和歌」に興味を覚える切っ掛けとなった。
最近になって、「鎌倉」を散策するようになり、自然の中で「鶯」や「時鳥」等の声を聴くようになると、「和歌」に再び興味を覚えるようになってきた。
鎌倉の「浄光明寺」を訪れたときに、「冷泉為相」の供養塔に墓参したことがきっかけとなり、歌人である「冷泉為相」及びその祖父であり有名な歌人でもある「藤原定家」の歌、特に「時鳥」を歌ったものに興味が湧いてきた。
先に鎌倉文学館で見た「十六夜日記」を視たときにそれが書かれている美しい字体を見てから、作者「阿仏尼」に興味を覚えた。
そして、「阿仏尼」が「冷泉為相」の母であることを知ることにより、「冷泉家」についても興味を覚えてきた。
「冷泉家」は、「冷泉為相」を祖とする歌宗家である。
「古今和歌集」、「新古今和歌集」を読み進んで行くうちに、好きな和歌の作者の歌人として「皇太后宮太夫俊成」、即ち「藤原俊成」が存在することに気付いた。彼の和歌を読んでいるとその情景が自然と浮かんでくるようである。
この「藤原俊成」の息子(次男)が「藤原定家」で、そして「藤原俊成」の曾孫が「冷泉為相」である。
そんな折、冷泉家時雨亭叢書完結記念・朝日新聞創刊130周年記念の催し物として「冷泉家 王朝の和歌守(うたもり)展」が「東京都美術館」で開催されることになった。この展示会は、「冷泉家時雨亭文庫」が所蔵する藤原俊成自筆『古来風躰抄』、定家筆『古今和歌集 嘉禄二年本』、定家自筆の日記『明月記』、等、国宝五件、重要文化財約300点をはじめて一堂に公開するものである。
「冷泉家」は、平安時代末期から三代続けて勅撰撰者(天皇や院の命で編まれる勅撰和歌集の撰者)となった藤原俊成、定家、為家を祖にもち、歴代が宮廷や武家の歌道師範をつとめた家柄である。京都御所にほど近い、現存最古の公家邸宅である同家の蔵には、800年の伝統のなかで集積されてきた勅撰集、私家集(個人の歌集)、歌学書、古記録、等が継承されている。それらの書物は、将来にわたる保存継承のため、昭和56年(1081)に財団法人冷泉家時雨亭文庫に移管され、調査と並行して平成4年(1992)から「冷泉家時雨亭叢書」として写真版複製の刊行がなされてきた。
また、東京展会期中の平成21年11月14日(土)には、「冷泉家」に伝わる七夕の伝統行事「乞巧奠」が東京文化会館で初公開されることになっている。
「乞巧奠」は旧暦7月7日に同家の庭で行われ、「蹴鞠」、「雅楽」、「和歌」などの技芸を手向け、技が巧みになるよう祈る「歌会の儀式」である。
今回、再び見ることができないと思われるこれらの二つの催し物を、観覧する予定である。
「冷泉家 王朝の和歌守(うたもり)展」
冷泉家「奇跡の文庫」の精髄国宝・重要文化財を一堂に
【 会期 】 2009年10月24日(土)-12月20日(日)
【 会場 】 東京都美術館 企画展示室
【 主催 】 東京都美術館、財団法人冷泉家時雨亭文庫、朝日新聞社
「乞巧奠~七夕の宴~」 ~京都・冷泉家の雅~
曲目・演目:一部:蹴鞠(蹴鞠保存会)
二部:雅楽演奏(絲竹会)
三部:和歌披講(冷泉家門人)
四部:流れの座(和歌当座式)(冷泉家門人)
【解説】冷泉貴実子
場所:東京文化会館
平成21年11月14日(土)
午後14:15開場
午後15:00開演
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