平成23年2月13日(日)国立劇場小劇場にて文楽「義経千本桜」を観劇する。
一幕「渡海屋・大物浦の段」では、平成22年5月15日に開催された「あぜくらの集い」でお会いしてからファンになった「吉田和生」が遣う(役柄としては脇役であるが)「女房おりう」(実は典侍局(すけのつぼね))の渡海屋銀平の女房としての所作と共に「典侍」という本性が現れた場面における気丈と品格のある所作の演技には見惚れてしまった。「典侍局」は、義経一行に捕われた後、最後には自害するのだが、そのシーンも印象的であった。
「あぜくらの集い」でお会いして、人形遣いや文楽の鑑賞の仕方等、いろいろと聴いたことが大変参考になっている。
伝統的な表現の基本ラインは、役柄に相応してそれぞれの人形の遣い方があるものの、どのようにその役柄を表現するのかは、その役柄を担当する個々の人形遣いが持っている個性や裁量に依存するが、その視点からも、私は、「吉田和生」の人形の遣い方が好きである。
「派手さ」はまったくないので、多くの観客を魅了するものではないが、人形を遣っている場面をよく観ていると、人形だからこそ表現できる繊細な所作が随所に感じられる。
やはり師匠である「人間国宝・吉田文雀」の愛弟子だけのことはある。勿論、師匠「吉田文雀」も私が好きな人形遣いの一人だ。
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